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Lesson5:猫に必要な栄養素
猫にとって必要な栄養素は5つ |
猫の健康に必要な栄養素
猫にとって必要な栄養素は5つ
「タンパク質」「脂肪」「炭水化物」「ビタミン」「ミネラル」です。
加えて、栄養素ではありませんが「水」も、とても重要です
犬と違って、完全な肉食動物である猫は、特に高タンパク、高脂肪が必要で、逆に、
人に必要不可欠な炭水化物は、意識して摂取するほどでもなく、
他の栄養素を摂取する際に一緒に摂取できる程度の量でこと足ります
1)タンパク質
たんぱく質は、筋肉や血液、内臓、皮膚、被毛などを構成し、猫の体に対して、人間の約5〜6倍の量が必要です。
更に、タンパク質なら何でも良いのではなく、猫に必要なアミノ酸をバランスよく与えることが必要です。
とくに、アミノ酸の一種であるタウリンは犬と違って猫は体内で生成することができませんし、 アンモニアを尿素に解毒するアルギニンが重要です。
● タウリン不足:網膜変性による失明や、拡張型心筋症の恐れ
● アルギニン不足:体中に毒素が回るアンモニア血症の恐れ
2)脂肪
脂肪はそれ自体がエネルギー源になったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりします。
脂肪の元となる脂肪酸の中でも、猫はリノール酸やアラキドン酸を作ることができないので、
食餌で摂取する必要があります。
逆にアジ、サバ、イワシなどの青魚には、不飽和脂肪酸が多く含まれ、
過剰摂取による黄色脂肪症の恐れがあります
※黄色脂肪症は、不飽和脂肪酸とビタミンEをセットで与えると予防できます。
3)炭水化物(糖類)
完全肉食の猫は、タンパク質と脂肪が主要エネルギーです。
ですから、炭水化物はさほど重要な栄養素ではありません。
また、たんぱく質が全体の栄養素の40%を超えると、消化不良を起こしやすいとされていますので、
「要らないんじゃないの?」と感じてしまいますが、動物性食品だけでは、
栄養バランスが偏りがち…
適量の炭水化物を与えると良いでしょう。
ただし、炭水化物の消化は苦手ですので、加熱してあげると良いですね。
4)ビタミン
ビタミンも、それ自体がエネルギーになる栄養素ではありませんが、それぞれの栄養素の代謝を助け、
体の機能をスムーズにする働きをします。
ビタミンは、水分にとける「水溶性ビタミン」(B群、C)と、
脂肪にとける「脂溶性ビタミン」(A、D、E、K)の2種に分けられ、
尿などと排出されやすい水溶性とは異なり、油溶性ビタミンは、
排出されにくい為過剰摂取には注意が必要です。
健康な猫は体内で、ビタミンKとCを合成することができますが、
ビタミンA、B1、B2、B6、Dなどは体内で合成できないので食餌から摂取する必要があります。
また、脂肪の所でお伝えしたように、猫は黄色脂肪症予防のためにも、
ビタミンEの摂取はとても大切です
5)ミネラル
ミネラル(カルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・マグネシウム・鉄・亜鉛など)
ミネラルの必要量はどれも微量ですが、体液のバランスを保ち、
神経や筋肉を活発にするために不可欠な栄養素です。
しかし、猫はミネラルを多く摂取すると、結石ができやすくなり、猫下部尿路疾患などの病気にかかる心配が多くなります。ただでさえ、砂漠で生活していたとされる猫は、水分摂取が少ない傾向にあるため、
尿は濃くなり、結石もできやすくなり易い体質なんですね。
市販のキャットフードは、ミネラルを調整した結石が出来にくいフードが増えている傾向にありますね。
プラスα「水」
他の動物同様、水は猫が生きていくためには欠かせないものです。
元々、砂漠地帯で暮らしていたとされる猫は、
多くの水を飲まなくても生きていける体のしくみになっています。
ところが、水分摂取量が少ないとオシッコが濃縮(濃くなり)されて、結石などができやすくなります。
犬に比べて、ウェットタイプのフードが人気を博しているのは食餌で水分を補うためも多いのですが、
ドライフードを与える時は、ふやかしたり、いつでも新鮮な水を飲めるようにして、
水分補給を心がけてあげてください。
水をあまり飲まない猫ちゃんは、鳥ガラなどでとった「だし汁」を水に混ぜてあげてもいいですね。
ただし、インスタントの「出汁の素」は大抵、塩分がしっかり入っていますので注意が必要です。
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